ダルバールスクエア『ネパールに行こう!』
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  ネパールの小学校の教科書には、ネパールは36のジャートが存在すると載せています。
このジャートというのは生まれが同じ人々の集団という意味です。
状況によって「民族」やカーストに近い意味で使われることもありますが、いずれにせよネパールの人々の多様性を端的に表しています。

1)北インド南部低地民(アルヤー)
 バルバテ、インド・ヨーロッパ語系、ネパールの国語であるネパール語を自分達の言葉としてきた人たちで、現在国の約半分を占めています。
ここでもいくつかのカーストに分けています。
 バウン(司祭カースト)、チェトリ(王侯、軍人カースト)、カミ(鍛冶屋カースト)、ダマイ(仕立屋カースト)、サルキ(皮職人カースト)などがあります。
専門の職業だけでは生活が厳しいので山地に住む人々は農業にも従事しています。
そして、牛を使って米を作っています。
ライス、ダールスープ、デーロと呼ばれるものを作って食べています。
石、土でできた壁に木の窓とドア、わらなどを葺いた屋根の家に住んでいます。
 タライと呼ばれる南部低地に住むマイタリ、ボジュプリの多くがインドのガンジス平原のグループに入ります。
その大半は、この200〜300年間に移住してきたといわれ、バルバテ以上にインドの習慣を残しています。
それは、肉や酒などの飲食規制や結婚上の規制などを厳しく守っていることにも表れています。
 タルー民族は、タライの先住民で、インドから移住してきた人々とは、かなり異なった生活様式を持っています。
マイタリ民族は、農業をしながら、伝統芸術でも有名です。

2)チベット・ビルマ語系山地民ーモンゴロイド
 タマン、ライ、リンブー、グルン、マガール、チェパン、タカリなどの民族がここに含まれます。
タマン語、ライ語、リンブー語、グルン語、マガール語、チェパン語、タカリ語と、それぞれに民族名と同じ名称のチベット・ビルマ語系の諸言語を話しています。
それぞれの伝統的居住地域は、タマンは、カトマンズ周辺。ライ、リンブーは東ネパール。
グルンはポカラ周辺。
マガールは中央ネパールのカリ・ガンダキ周辺。
チェパンはカトマンズの南西。タカリは中央ネパールです。こうした民族は山地の海抜1000m〜3000mまでの地帯に住み、とうもろこし、シコクビエなどの畑作を中心に羊などの牧畜や交易を行って生計をたてています。
グルカ兵として有名なのは、このチベット・ビルマ語系山地民で、彼らの中には給与を元に村から都市へ出る人も多い。
シェルパはヒマラヤ登山隊に仕える現地ガイドやポーターなどの仕事をしながら農作物はジャガイモ、大麦など作り、ヤク、牛などを家畜としています。
 

ネワール


 カトマンズ盆地に都市文明を築いてきたのがネワールと呼ばれる人たちで、チベット・ビルマ語系のネワール語を自分たちの言葉としています。
ネワールは、1000年ほど前から、カトマンズに住んでいると言われています。
 30以上のカーストに分けられ、宗教的には仏教とヒンズー教が混在しています。
レンガで造られ、台所は一番上にした2、3階の家に住みます。
このネワールは、様々な文化を持ち、稲作を中心とした農業、商店経営、建築、金属細工、彫刻などの工芸などによって生計をたてています。
 代表的な民族について説明をしてきましたが、まだ他にも数多くの民族があります。
こ85%、仏教が約10%、イスラム教が4%、キリスト教や他の宗教1%が混在し、文化的な多様性を生み出しています。

○他にご存知の場合又は誤りがあった場合には、是非掲示板にて教えて下さい。




May 20, 2004